1200MHz用K1FO八木アンテナの製
 

製作のきっかけ
   1200MHzのアンテナは、当時多エレメントのループを使っていましたが、このバンドのアンテナもK1FOタイプにしてみようと、W7ELの開発したELNECと云うアンテナ・シュミレーション・ソフトを利用しました。計算結果のままで製作すると、共振周波数が可成り低い事が実験で分かりました。(後にW7ELも高い周波数では共振点が低くシフトすると認めております。)エレメントには5mmφのジュラルミン棒を使いました。430MHzの時と違って、エレメントをブームから浮かせました。角パイプや丸パイプを貫通するタイプも実験しましたが、どうしてもSWRが下がりません。パイプによって形成されるループが1200MHzの波長に近すぎる為でしょう。1295MHzでλmm]=300000÷f 1295[MHz]≒231.7mm、1/2λで約116mm、1/4λで約60mmです。かたや、角パイプでは20mm角で2mm厚だと、80mmから64mmのループを形成するので、どう考えても良い結果が出ないのは自明であります。)フローティングの為のスペーサーは12mmφ×50mmのジュラコン棒を使います。ブーム取り付け側にM4のタップを15mm位の深さに切ります。その反対側に端から6mmをセンターに5mmφの貫通穴をあけます。

製作データ
 

 エレメント径は5mmφ、フローティング・スペーサーはジュラコン製の12mmφを使用。ブームは20mm角か25mm角のアルミ角パイプを使用しました。ジュラコン・スペーサーは綺麗に貫通穴があいていれば、エレメントを通し入れるのに可成りの力がいる筈です。この状態であればエレメントの脱落は無い筈です。(ご心配な方は、若干重くなりますが、ブーム取り付け側の反対側にもタップを切って、プラスチック・ネジでエレメントを固定してしまうとFBです。)当局は33エレで2.5mのブームを使いましたが、44エレまではこの寸法でいけそうです。極端にブーム長を短くすると、エレメントを短く補正しないといけません。

Element No.

Space (from Reflector)

Element Length

REF

0

111

RA

34

104

D1

49

98

D2

75

95

D3

111

93

D4

155

91

D5

208

90

D6

266

89

D7

330

89

D8

398

88

D9

472

87

D10

548

87

D11

627

86

D12

708

85

D13

792

85

D14

877

84

D15

964

84

D16

1052

83

D17

1142

83

D18

1232

83

D19

1323

82

D20

1415

82

D21

1507

82

D22

1600

82

D23

1693

82

D24

1787

82

D25

1881

82

D26

1975

82

D27

2070

82

D28

2165

81

D29

2260

81

D30

2355

81

D31

2450

81

D32

2546

81

D33

2641

81

D34

2737

81

D35

2833

81

D36

2929

81

D37

3025

80

D38

3121

80

D39

3217

80

D40

3313

80

D41

3409

80

D42

3505

80


 給電部の様子

あとがき
  最近、WEBでK1FO八木アンテナの製作ページを見ますと、大変に細かい数値まで出している方がいらっしゃいます。コンマ何ミリまで書いてありますが、実際にコンマ何ミリ・オーダーの製作をするのは相当大変です。肉眼を使って物差しで測れるのは、まあ、およそ0.5mmくらいまででしょう。そもそもK1FOSteve Powlishen)自身は、自分の設計したこのアンテナを「An Optimum Design」と称しているのです。JM1MCF加藤雄大氏は「Ham Journal」誌で「最適化」と訳されておりました。この「最適」というのは、多少の精度の誤差があっても大丈夫という意味もあります。コンピュータ・シュミレーションで、エレメントの長さとスペースにランダムな±1mmとか±2mmとかの誤差を与えて計算しても、ゲインの低下は僅かでしかなかったのです。ラフに作っても宜しいと云う訳ではありませんが、そんなにキチキチしなくてもK1FO八木は大丈夫ですので、安心して作って下さい。430MHzの場合はエレメント長が殆どすべて違いますが、1200MHzの場合は同じ長さのエレメントが並びます。同じ長さに加工したつもりでも、多少の長い短いが出ます。その場合は、短いエレメントをフロント側にして下さい。